【医師向け】モストグラフ問い合わせ事例のご紹介
医師向け「第1回 モストグラムと咳診断の会」の実施により、モストグラフについての問い合わせをいただきましたので、医師向けに内容を掲載いたします。
A先生:
くにさわクリニック
國澤 晃 先生
●●県で内科医院(専門は呼吸器)を開業しております。モストグラフ導入を検討中に貴院のホームページを拝見し応募をさせていただきましたが、遠方なので参加させていただくのは叶わないかもしれません。資料をいただいたり、メールにてご質問をさせていただく形は可能でしょうか。
國澤:
A先生
はじめまして。お問い合わせありがとうございます。メール、もしくは電話でも時間合わせて質問OKです。
A先生:
このたびは突然のお願いにかかわらず、ありがとうございます。
お言葉に甘えさせていただき、以下にいくつか質問をさせてください。
(1)R5の変化率を提唱されている先生もおられますが、気管支拡張薬吸入前後で比較される部分データはどこがよろしいのでしょうか。その際、いくつ位の変化・数値で有意ととるのでしょうか。できましたら気管支拡張剤の薬剤名・量・再検査までに何分ほど空けるのかも、ご教授ください。
(2)当院でも以前モストグラフをデモでチェストさんからお借りしたことあるのですが、同一人物の再検で、測定値にばらつきがあり、再現性に不安をもちました。測定に際し、なにか注意すべき点・うまく検査するためのポイントなどございますでしょうか。
(3)貴施設では呼気NOも診療で参考にされておられますでしょうか。咳喘息の診断に際し、呼気NO・モストグラフの感度は、それぞれご印象で、どれくらいありますでしょうか。モストグラフで可逆性を認めない場合は、咳喘息は否定的と考えてもよろしいのでしょうか。
(4)モストグラフと直接関係ありませんが、ホームページで貴施設症例を拝見いたしまして、咳に占める鼻炎・副鼻腔炎の頻度が非常に多いことを、私も日々実感しております。鼻炎・副鼻腔炎の治療に際し、先生が処方される抗ヒスタミン薬の具体的な薬剤名を教えていただけますでしょうか。抗コリン作用を有する第1世代の抗ヒスタミン薬を処方されることもおありでしょうか。
お忙しいところをいくつもすみませんが、お手すきのときにご教授をいただければ幸いです。よろしくお願いします。
國澤:
A先生
(1)これは、難しい問題ですね。私もメプチン5ml+生食で10分吸入させ、その前後でR5の変化をよくみてましたが、うまくさがったり、逆に吸入後のR5上がったりします。このような現象はチェスト主催のモスト研究会でも取り上げられましたが皆さん経験されています。(2)への返事にもなるのですが、吸入後は吸気、呼気が楽になり呼吸が大きくなり(TVが上昇)そうするとR5は上昇すると、黒澤先生は説明されていました。
また、首の角度の変化でもR5は変動します。ですので最近は、黄色波つまりR5=3以上ではそれで終了とし、緑色でもかなりギザギザな感じのなみであれば、メプチン負荷後に再検しいています。
つまり、黄色い波+で気管支のアレルギー反応による気道狭窄の可能性ありと考え(必ずしも喘息ではありません)、緑の波で波なら問診も含めて考えますが、R5、変化はかなり主観的に判断しています。モストは素晴らしい機械ですが、自分がどう診断するかが重要で、それを補完するものです。
(3)はNoは導入したいとはいつも思うのですがモストで事足りているので導入していません。
(4)オロパタジン10㎎ 2xのみ使います。妊婦はザイザル10mg、眠気ある人はロラタジン10mg 1x朝、ポララミン2mg 1x眠前を使います。
参考にしてください。繰り返しますがモストに基準値ありません。適当といえばそれまでですが、咳の診断にはなくてはならなものです。使用しているとだんだん診断の精度が上がっていくのがわかりますし、モストに鍛えられている感じです。
A先生:
くにさわクリニック
國澤 晃 先生
お忙しいところをご教授ありがとうございました。
当院では呼気NO利用しているのですが、上昇しない症例もあり、炎症の種類に関係なく、より気管支の病態をみているモストのほうを導入してみたいと思い、ご相談をさせていただきました。
コスト面なども考慮して、検討したいと思います。
また何かご相談をさせていただくことあるかもしれませんが、その際は、どうかよろしくお願いします。
ありがとうございました。
くにさわクリニックでは、定期的に「モストグラフを使った咳診断」の勉強会(医師限定)を行っております。
もし、遠方などでお越しいただけない先生には、上記の先生のようにメール等でもご相談を受け付けております。
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